数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「オンライン指導」について思うこと

昨今の状況から、「オンライン指導」の需要が高まっていますね。

教わる側も教える側も、場所と時間の制約が取り払われ、今後5G環境が整ってくることを考慮すれば、非常に興味深い流れではあります。

そこで、現時点において、「オンライン指導」の向き不向きを考えてみたいと思います。


<「1対“多数”」の場合>

これを双方向で行おうとすると、設備的な制約が現時点ではまだ大きいでしょう。

教える側からの一方向でならば、「映像授業」として無料配信もされていますね。
自分で参考書等を用いて勉強するよりは、内容が頭に入ってきやすいでしょう。

しかし、「映像授業」で事足りるような生徒は、「自立学習」の勉強スタイルが確立されていると言っていいでしょう。
わからないところや発展的な学習の際に、適した「映像授業」を“つまみ食い”することで勉強の効率も上がるでしょう。

つまり、「あればあったで便利」でこそあれ、不可欠ではないでしょう。


<「1対1」の場合>

集団指導ではなく「1対1」指導を要望されるような場合は、画面上で相手と「1対1」で対面できたとしても、いきなり「オンライン指導」を選択するのは如何なものか…との思いは拭えません。

ここで、実際に家庭教師として指導に伺う場合の流れをお話しします。

まずは、
「なぜ集団指導ではなく1対1指導を選択したか」
を丁寧に把握することが大切です。

親御さんから話を伺った上で、生徒本人と実際に対面して、たわいもない話も絡めながら、現在抱えている悩みを探っていきます。
そして、実際に問題を解いてもらいながら、その解き進め方と共に、表情・しぐさ等を見ます。
また、今まで学校等でとってきたノートも見せてもらいます。

このように、実際に対面するからこそ、様々な角度から諸問題を把握することができます。

その後、対面指導を数回行いながら、その生徒の問題点や特性を把握し信頼関係を構築できれば第一関門突破です。

このようなことが「オンライン」でどこまでできるのだろうか、との不安は拭えないままです。


<現時点で思うこと>

「勉強がどうも苦手で1対1指導の方が適しているな」
と感じるお子さんであれば、まずは数回、実際に対面して指導を受けてから、「オンライン指導」の可否を判断されたら良いのではないかと思います。

一方、
「自立学習がほぼできているが、休校になることで質問ができずに困っている」
ような場合は、「オンライン指導」を選択されるのも有効かと思います。