数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

“サイコロゲーム”の理論上のからくり

「次のようなゲーム(勝負)を挑まれたら、あなたなら受けますか?」という問いかけをしました。


【ゲーム】
3つのサイコロを同時に1回投げて、6の目が1つでも出たらあなたの勝ち。


基本スタンスとしては、まず
「理論上の勝てる確率」
をはじき出してから、勝負を受けるか否かを考えるべきですね。

小学生くらいならば、実際に100回くらい試してみてから、その理論値と比較してみるといいですね。


【確率の求め方】
まずは、
「6の目が1つでも出る」
という条件を正確に捉えましょう。

「6の目が1つor2つor3つ出る」
ということですね。

各々の場合の確率を合算すればよいのですが、面倒ですね。

このような場合の鉄則は、
「余事象で考えよ」
でしたね。
(※“余事象”とはザックリ言うと「反対の事柄」のことです。)

「6の目が1つでも出る」
ことの反対は、
「6の目が1つも出ない」
ことですから、
「1~5の目しか出ない」
ということです。

よって、その余事象の起こる確率は、
5×5×5/6×6×6
ですね。

∴「6の目が1つでも出る確率」
=1-(5×5×5/6×6×6)
=91/216
=0.421...


勝てる確率は約42%なので、理論的には不利な勝負となりますね。

まぁ1回勝負ならば、受けてみても構わない確率ではあります。

しかし、「もう一丁!」と繰り返して勝負していると、負けの方が多くなってくるはずです。
勝てることも結構多いので、ついつい勝負を重ねてしまいがちな確率であるところがミソです。
そうなると、親元の思うツボにはまってしまうことになりますね。


なお、「“前フリ”のくじ」の例で、
“引いたくじは元に戻す”
などの条件をつけて、
“常にあたる割合が6本に1本”
にしておくならば、
「くじを3本引いてあたりが出る確率」
は、
「今回の勝負であなたが勝つ確率」
と等しくなります。