数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

「6個のサイコロ」未解決問題…

「確率・場合の数」関連の問題で、
“余事象で考える”
と、時に鮮やかに解ける場合がありますね。

それは、
「余事象の場合の数が圧倒的に少ない」
場合が多いですね。

しかし、必ずしもそのような場合だけではないことを、次の2問を通してみていきましょう。



【問題-1】
3桁の自然数で、数字の「9」を含む数はいくつあるか?


【解説】
当然、余事象の、
「9を含まない3桁の自然数
に着目すればいいんでしたね。

「0,1,2,3,4,5,6,7,8」
の9個の数字を組み合わせた3桁の自然数は、
「8×9×9個」
あるので、
∴9×10×10-8×9×9=252個

※別解は「堅実派がはまりやすい落とし穴」
https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2019/10/03/%E5%A0%85%E5%AE%9F%E6%B4%BE%E3%81%8C%E3%81%AF%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%84%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4


この【問題-1】の場合は、
「余事象の場合の数が全体の7割以上」
もありますが、余事象で考えた方が圧倒的に楽ですね。



では、次のような問題の場合はどうでしょうか。


【問題-2】
6個のサイコロを振って「いくつかの目の和が10になる」ような出方となる確率は?
(答え;約98%)


答えから推察すれば、
「余事象で考えれば簡単に求まるな…」
とまず思いますよね。

で、まず思いつくのは、
「6個の目の和が9以下」
となる場合ですが、
「6個の目の和が11以上」
となる場合でも結構あり得ますね…
(2,3,3,3,3,6)とか…

と考えていくと、方針が見えてきそうで見えきらないもどかしさが…

果たしてスッキリと確率を求める方法はあるのでしょうか…


この【問題-2】の場合は、
「余事象が全体のたった2%」
でしかないのに、簡単に数え上げることはできないでしょう。
(※STAY HOME週間だったからこそ試してみましたが、かなり地道な場合分けが必要です…。もし、簡単な方法がある場合は、お知らせいただければ幸いです。)


とにかく、今回伝えたかったことは次の通りです。

全体に占める割合にかかわらず必ず余事象をチェックした上で、 
“余事象で考える方が楽か否か”
で、解き進める方針を決めましょう!