数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

パズルを解いたら得るものあるかな?

コーヒーブレイクにでも、誰でも、何の準備も必要なく、気軽に取り組める「数入れパズル」です。
(※小学生は、「負の数」がネックとなってしまうので、現在扱っている「数の世界」だけで考えてみましょう。)



【問題】
○の中に、下記のルールで整数を書き入れて段状の表をつくる。

〈ルール〉
「○の中の数」
が、線でつながった
「下段の2つの○の中の数の和」
となるようにする。

例えば、
「最下段に左から3,-1,4」
が書き入れてある場合は、
「2段目は左から2,3」
「3段目は5」
となる。

このルールで、
「最下段の左端に1、右端に2、最上段に3」
が入るように、下図のような4段の表をつくるとする。

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このとき、
「2段目の真ん中(A)」
に書き入れることのできる最大の整数を求めよ。
但し、Aは2020以下の整数とする。



【解説】
このようなパズルを解き進めるにあたって、2通りのタイプがあると思います。

(1)あれこれ具体的な数を入れてみて解く糸口を探ろうとするタイプ
(2)理詰めで絞り込んでから解いていくタイプ

気軽にやるとなると、(1)のタイプで取り組み始める人が多いかもしれません。

しかし、入試問題だったとすると、できるだけ短時間に解きたいので、(2)で方向性を見極めてから取り組むべきでしょう。


そこで、
「最下段の左から2,3番目の整数をm,n」
とおきます。

すると、2段目は左から、
「1+m,m+n(=A),n+2」
3段目は左から、
「1+2m+n,m+2n+2」
最上段は、
「1+3(m+n)+2(=3)」
となりますね。

これでもう気づいたと思いますが、
「最上段に着目」
すると、
「m+n=0」
とならなければいけませんね。

つまり、
「A=0」
とならないと題意を満たさないので、
「Aの最大値も0」
ですね。


なお、小学生の場合は、
「○に入れることのできる数は0のみ」
なので、やりがいがなかったですね。

中学生以上は「負の数」を知っているので、あれこれ悩んだかもしれない問題だった訳です。



因みに、
「全ての○に2020以下の整数を入れる」
とすると、
「nに入れることのできる最小の数」
はどうなるかわかりますね?



「まずは理詰めで考える」
方が、“数学の問題を解く”にあたっては有効でしょう。

“ひらめき”は、
「様々な論理的理解の積み重ね」
と、
「向き合った事例数の多さ」
の末に脳がはじき出したものですから、万人に有効な手段ではありませんね。

そして、もちろん、実社会における諸問題は、“理詰め”で解決できるほど生易しくはありません。
しかし、それに取り組むための下地にはなってくれます。
そのために、学生の皆さんは「数学」を学んでいると言ってもいいでしょう。



(nの最小値;-2019)



〈つぶやき…〉
“ひらめき”のところで書いたことは、「AI」が得意中の得意とする分野で、それに関しては人の脳を遥かに超えています。
2045年”は、もうすぐそこです…

「ゲーム」なんぞは、AIがはじき出した
“人の脳の快楽物質を出させる仕組み”
が活用されているそうじゃないですか。
(そのように開発したのは人間ではありますが…。)

もし「依存」の傾向をもってしまったのならば、そんなものに踊らされた行く末は、一体どうなるのでしょうか…