数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2020の2021乗と2021の2020乗

「ねぇ姉貴、どうやって大小判定すればいいのかなぁ…」
「何?2020の2021乗と2021の2020乗の大小かぁ…」


姉が通う学校と同系列の高校を受験する予定の弟が、ネットでたまたま見つけた問題で、考えあぐねた末に姉に助けを求めている。


「あの学校、整数問題が必ず出題されるから、一応対策がてら考えてたんだけれど…」
「対数はさすがにまだ無理だろうから、二項定理使うとか?」
「一応、反復試行のところで学んだことを使ってできなくはないんだけど、もっと簡単な方法はないかなぁ、と…」
「へぇ~、どんなの?」


弟君は、
「2021を1とすると2020は約0.99」
なので、
「0.99の2021乗と1の2020乗を比較」
する方法を姉に説明した。


「するってぇと、2021の2020乗の方が大きいってかい?」
「そうなっちゃうんで、相談してるんだけど…」
「感覚的には、2020の2021乗の方が明らかに大きそうだもんねぇ。その考え方だと、2020を1としてみても同じ結果になるから、悩んでいるって訳ね。」
「そうなんだよ…」


さぁ、弟君の考え方のどこに矛盾があるのでしょうか?



「“次元が違うもの”を、その方法で比較すること自体がおかしいでしょ」
「??…」
「その考え方だと、“底が小さい方の数”が必ず小さくなっちゃうでしょ!2020乗と2021乗の比較なんだから、その考え方はそもそも間違っていることに気づかないの??」
(※指数が同じであれば弟君の考え方でいいですね)


「あ、そうか…」
「二項定理使えるんだったら、そこから概数で比較するしかないと思うよ。」
「了解!姉貴がいてくれて助かりま~す!」