数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2次方程式の解が有理数となる条件

これも「2021大学入学共通テスト」から、中学生に向けた出題です。

“判別式”を習っている中学生もいますが、一般的には発展事項に属する内容となります。

しかし本問題は、判別式という概念が未習であっても、よく考えれば解けるはずです。

しかも、高校生よりも中学生の方が正答を導きやすいのではないかと思い、取り上げてみました。



【問題】
xについての2次方程式
2x^2+(4c-3)x+2c^2-c-11=0
の解が異なる2つの有理数となるとき、自然数cは何通り考えられるか?



初見の人は、とりあえず解いてみましょう。

あまり言うとネタバレになってしまいますが、うっかりミスをしてしまう人が少なからずいそうな問題です。



なお、中学生も
有理数
という言葉は一応習っているはずですが、
「実数という数の世界で無理数ではない数」
ということだけ理解していれば、本問題は解けますね。
(※整数問題でよく用いられる“定義”まで理解している必要はありませんね。)



【解説】
2次方程式の解の判別式”
とは、その解において
“√の中の数を表す式”
のことでしたね。

ここで、本問題の条件が、
「異なる2つの“実数解”」
ではないことに注意しなければいけません。

よって、
「判別式が正となる場合」
として解くのではなく、
「判別式が正の平方数となる場合」
として解かなければいけませんね。

よって、
「判別式=97-16c」
となるので、
「c=1,3,6」
の場合に題意を満たすので、
∴3通り