“「三平方」除外”に対応して、都立立川では「グリッドを利用した整数問題」を用意してきました。
「確率を絡めたルール設定問題」や、このような「整数関連の問題」に入れ替えることで、今回の特殊な出題範囲に対応してくる学校が多いだろうと予想していましたが、都立日比谷はなぜあのような簡単な問題にしてしまったのでしょうか…。都立西との差別化を頑なに追求したかったのでしょうか…。
さて、今回の都立立川が用意したものは定番問題の一つではありますが、所々に出題の工夫が施されています。
その中から、こどもと大人で「どちらが“素早くかつ正しく”解けるか」勝負してほしいような問題をピックアップしてみましょう。
【問題】(改題)
AB=104,BC=156の長方形ABCDに、直交するグリッドを次のようにひく。
辺ABに平行な線(横線)は間隔6、辺BCに平行な線(縦線)は間隔8とする。
このとき、線分ACと横線・縦線との交点は何個あるか?
但し、点A,Cや「横線と縦線の交点」は含めないこととする。
【解説】
算数が得意ではない小学生がよくやるように、
「力業で実際に描いてしまう」
というのはあまりいただけませんね。
このくらいならば可能でしょうが、もっと大きな場合にも対応できるようにしておきましょう。
そして何より「スピード勝負」ですから、計算だけで解ききるべきですね。
まず、長方形内部(辺は含めず)の
「横線は156/6-1=25本」、
「縦線は104/8-1=12本」
ですね。
そして、長方形の対角線ACは、
「これらの横線・縦線と必ず1回ずつ交わる」
ということもわかりますね。
但し、注意しなければいけないのが、
「横線と縦線の交点(格子点)」
と交わる場合ですね。
この長方形の“縦/横”比は、
「156/104=3/2」
ですね。
(中学生ならば「対角線の傾き」をイメージしましょう。)
「6b/8a=3/2」
から求めるまでもなく、暗算で
「6×2/8=3/2」
から、
「対角線が格子点と交わる場合」
がすぐに見つけられると思います。
つまり、
「線分ACと縦線との交点は全て格子点」
ということがわかりますね。
ここで早とちりして、
「横線との交点のみなので25個」
と答えるようなことがないように注意しましょう。
格子点は含めないのですから、
∴25-12=13個