数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

周期性(2018都立戸山)

前回のフラーレン(C60)を受けて“60”にちなんだ問題です。

都立戸山では、「周期性」を題材とした大問がよく出題されます。

2018年は小問集合で出題されましたが、「所詮小問集合でしょ・・」と侮ると、ミスを犯しやすい問題です。


【問題】
円周上の60個の点のうち1つをAとする。

1~6の目が出る大中小のサイコロを、同時に1回投げて出た目の数の積をnとする。

点Aを出発し時計回りにn個だけ点上を移動したとき、点Aの位置にある確率は?(抜粋)


あまり時間をかけずに解ききりたいところですが…。


【解説】
こういう問題でまず必ずすべきことは、
“「nの値の範囲」の把握”
です。

3つのサイコロの目の数の積なので、「1×1×1≦n≦6×6×6」
となります。

つまり、点A上にあるのは
「円周上を1,2,3周したとき」
とわかります。
(※この検討をしていないがために、「1周したときのみ」で答えたミスが多かったと思われます。)


(1)1周したときは、
{2と5と6},{3と4と5}
の2“組”あります。

(2)2周したときは、
{4と5と6}
の1“組”のみです。

(3)3周したときは、
{5と6と6}
の1“組”のみです。


このときのポイントは、まず“組”で考えることです。
いきなり“順列”で考え出すと、数え漏れなどのミスを犯しやすくなるので注意です。


(1)、(2)は各6通りで、(3)は3通りなので、合計21通りあることがわかります。

∴確率は、21/(6×6×6)=7/72