立体を複数平面で切断して、体積などを求めさせる問題もよくあります。
複数の平面が空間内に錯綜することになるので、立体を不得手とする人にとっては難問かもしれません。
錯綜した平面によって構成される立体になってくると、ある程度正確に図を描けることが、解法の糸口を掴むことへとつながっていきます。
まずは、「立方体の2平面による切断」から慣れていきましょう。
【問題】
1辺6の立方体ABCD-EFGHを、3点A,C,Fを通る平面と、3点B,D,Eを通る平面で切断する。
このとき、Gを含む方の立体の体積を求めよ。
「錐体・柱体の体積」を求められる小学生ならば、この立体の体積は求められます。
【解説】
方針としては、
(1)求める立体を分割する方法
(2)立方体から余計な立体を取り除く方法
が考えられます。
中学生以上ならば、
(1)の「断頭三角柱と三角柱に分割」
でいいでしょう。
今回は、小学生にも求められる(2)の方法を解説します。
まず、
ACとBDの交点をP、
AFとBEの交点をQ、
P(またはQ)からABにおろした垂線の足をR
とします。
(※P,Qからの垂線の足は一致します)
立方体から取り除く立体は、
「PQR-DEAとPQR-CFB」
ですね。
これらの体積は等しいので、PQR-DEAを求めましょう。
(PQR-DEA)
=(B-DEA)-(B-PQR)
=6×6×1/2×6×1/3-3×3×1/2×3×1/3
=63/2
(※「相似な立体」の原理を用いる方法もあります)
よって、求める立体の体積は、
6×6×6-(63/2)×2=153
ここで、この立体をさらに、
「3点A,C,Hを通る平面と、3点B,D,Gを通る平面」
で切断した、面EFGHを含む方の立体を考えてみましょう。
(つまり「立方体の4平面切断」です。)
すると、
「特殊な多面体の体積(2019久留米大附設)」
で扱った立体の上部と同じ構成の立体になります。