数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

代表的な「倍数判定法」

今回の問題を通して確認してもらいたかったのは、「倍数判定法」です。
既に知ってる人も多いとは思いますが、中学以降でも重要事項となります。


【解答】
まずは、値の範囲を確認しておくのが鉄則でしたね。

「aは1~9の整数」、
「bは0~9の整数」
ですね。

「a+b-9=0」ということは、
「a+b=9」となればいい訳ですから、
(a,b)=(1,8),(2,7),(3,6),(4,5),(5,4),(6,3),(7,2),(8,1),(9,0)
の9通りありますね。

つまり、

「198,297,396,495,594,693,792,891,990」

の9個の数が題意に該当しますね。
(※「8個」と答えた人は要注意です。)


さて、これらの数に共通する性質は何でしょうか?

「3の倍数!」
う~ん、合ってはいますが・・・

「9の倍数!」
う~ん、まだまだですね・・・

「11の倍数!」
よく見つけましたね、でもまだ完璧では・・・

「33の倍数!」
と答えることができるのならば・・・

「99の倍数!」
と答えられれば完璧です!


★よく用いる「倍数判定法」をまとめておきます。

【3の倍数判定法】
各桁の数の合計が3の倍数になるか否か

【9の倍数判定法】
各桁の数の合計が9の倍数になるか否か

【11の倍数判定法】
各桁の数を交互に「たす・ひく」を繰り返した合計が11の倍数になるか否か
(“0”や“-11などの負の数”も「11の倍数」です)

(例)「19283」は
「1-9+2-8+3=-11」となるので「11の倍数」です。
しかし、小学生はこの計算ができないので、
「“一つ飛ばしの桁の数の合計”の差が11の倍数」
となるか否かで判定しましょう。
上の例だと、
「1+2+3=6と9+8=17の差が11」となりますね。


今回の問題を振り返ってみると、

「(百の位)-(十の位)+(一の位)=0」
という条件を満たすので、
「11の倍数」
という判定がまず下せる訳です。

さらに、
「(百の位)+(十の位)+(一の位)=18」
となるので、
「9の倍数」
という判定も下せる訳です。

つまり、
「11の倍数」かつ「9の倍数」
となるので、
「99の倍数」
とわかる訳です。


なお、中学生は
「なぜその方法で倍数の判定ができるのか」
を説明できるようにしておきましょう。
また、「4,6,7,8の倍数判定法」も原理と共に理解しておきましょう。