数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

意外とできない?平行四辺形問題(2018同志社)

焦っていると解けない可能性もある問題です。


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【問題】
平行四辺形ABCDの辺ABの中点をE。
DH⊥EC、AD=DH=CH=1。
平行四辺形ABCDの面積は?


(答え; (√3+1)/2 )


【解説】
攻め方は2通りありますね。

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<解法1>

まず、直線CEと直線ADの交点Pをとる。

すると、直角三角形PDHの辺比からPH=√3。

EAP=△EBCとなるので

平行四辺形ABCD
=△DPC
=(√3+1)×1×1/2=(√3+1)/2


<解法2>

まず、BからECへ垂線BQをおろす。

△CDHと△BEQは1:1:√2の直角三角形。

これよりBQ=EQ=1/2となるのでCQ=√3/2。

平行四辺形ABCD
=2△CDE
=(1/2+√3/2)×1×1/2×2
=(√3+1)/2



どちらも“平行四辺形における鉄則”通りに解き進めた解法です。

それを、変な補助線をひいてしまったばっかりに解き進められず、焦ってしまうことも考えられます。

試験序盤の「こんな簡単な問題解けるはずだ」との思いも、焦りに拍車をかけてしまう恐れもあります。

どんな状況でも「まずは鉄則を守る」ことを心がけましょう。