数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

2022都立日比谷/数学の作図問題

先日の都立日比谷/数学の入試問題は、まぁほぼ例年並みに戻った、というところでしょうか。

昨年は、異常な試験範囲だったせいもありますが、超平易な内容にとどまっていました。

それを受けて、今年は一気にレベルを戻してくるだろうと思いきや、それほど骨のある問題もなく、わざわざ解説しておくべきものもない印象です。

そこで、普段あまり取り扱うことのない「作図問題」について言及しておきましょう。


【問題】
直径AB,中心Oの半円において、線分OA上に点Cがあるとき、「∠CPB=30゜」となる半円弧上の点Pを作図する問題です。


学校が提示した模範解答では、
「3点B,C,Pを通る円の円周角」
から点Pを作図しています。

私が想定した方法とは発想が異なっていたので、最初見たときは意味が読み取れませんでした。

というのも、正攻法だと、
「円Oの円周角が30゜となる点P」
を作図しようと考えるのではないでしょうか。

模範解答は3手ですが、上記の正攻法でも3手なので、どちらでも構わないでしょう。

正攻法で作図した受験生の方が多いとは思いますが、問題作成サイドから考えれば、あの模範解答をチョイスした気持ちもわかりますね。