数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

不定方程式(3元1次)

不定方程式」とは、読んで字の如く
「解が無数にある方程式」のことです。

これに、「整数解」などの条件をつけることで、入試にもよく出題されます。

前回は2次式でしたが、今回の簡単な1次式の問題を通して、まずは取り組み方を身につけていきましょう。


【問題】
x+3y+6z=21を満たす自然数の組(x,y,z)は何組あるか?


【解答】
1次の不定方程式の場合は、
「漏れなくスムーズに絞り込む」
方法であれば何でも構いません。

今回の場合は、
「一番大きな割合を占める“6z”」
に着目して絞り込んでいけばいいでしょう。

その際に、
「x,y,zが0の場合をカウントしない」
ように注意することは、言うまでもありませんね。

(1)z=1のとき
「x+3y=15」を満たす自然数x,yを見つけていけばいいですね。
よって(x,y)=(12,1),(9,2),(6,3),(3,4)

(2)z=2のとき
「x+3y=9」を満たす自然数x,yを見つけていけばいいですね。
よって(x,y)=(6,1),(3,2)

(3)z=3のとき
「x+3y=3」を満たす自然数x,yは存在しません。
(※z≧4の場合を検討する必要はありませんね。)

∴6組


なお、例えば
大阪星光学院(2019)の入試問題では、
「x+3y+6z=30を満たす自然数の組(x,y,z)は何組あるか?」
と、若干検討数が増えた形で出題されています。
(答え;16組)


(2020/5/1更新)
上記問題をアレンジ→
不定方程式と不等式」
https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2020/04/30/143330