数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

空間幾何

五面体の捉え方(2020都立新宿)

多面体の体積は、 「その立体をどう捉えるか」 によって簡単に求められたり、逆に面倒になったりします。世の中の出来事を、 「多様な面から捉える力」 を養うためにも、このような初等幾何への取り組みも一つの訓練になるでしょう。下記は、今年のある高校…

正多面体をつくってみよう!

休校期間中のお子さんの勉強に、苦慮されている親御さんも多いことと思います。そこで、室内に閉じこもって時間があり余るような状況だからこそ、お子さんに取り組んでもらいやすいことをお伝えしておきます。それは、以前にもお伝えした 「正多面体の自作」…

“カメ”である方が得策となる問題(2020都立)

先日2/21の都立入試(一般)の立体問題は、 「“ウサギ”が慢心している訳ではないのに、“カメ”の方が楽に勝ててしまう」 ような、なかなかの良問でした。塾などで発展的解法を習っている受験生ほどミスを犯しやすく、愚直ともいえる方法で解いた受験生ほど正答…

四面体の体積比(2020都立日比谷)

昨日の都立日比谷の立体問題は、やはり頻出していた「四面体」が題材でした。 難易度も、予想通り若干上がったものでした。 【問題】 OA⊥OB,OB⊥OC,OC⊥OA,OA=OB=6,OC=8の四面体OABCがある。 点H,Iはそれぞれ辺OA,OB上の、点J,Kはそれぞれ面OAB,ABC上の点であ…

展開図→立体組み立て→“ひもかけ”問題(2020神奈川県立)

つい先日の神奈川県立入試問題からの出題です。全く何の関係もない学校どうしであるのに、なぜか同じ年の入試問題の傾向がシンクロしてしまうことがあります。都立受験に向けて頑張っている皆さんも、解いておくと役立つことがあるかもしれません。 【問題】…

頻出立体問題の最終確認

今年の出題内容も注目される「ある都立高校」の入試問題を使って、頻出している立体問題の解き進め方を再確認しておきましょう。解いたことがある人も多いと思いますが、解き進め方がサッと思い浮かべば、不安なく本番に臨めるでしょう。トップクラスをめざ…

立方体の切断(“面”上の3点を通る平面による)

入試前の最終問題は、立体問題の題材となる可能性の高い「立方体」にしましょう。 「“辺”上の3点を通る平面」 による切断は、準備万端だと思います。そこで視点を変えて、 「“面”上の3点を通る平面」 による切断をやっておきましょう。 なお、当初から伝えて…

サクッとできればOK!(四角錐編)

いよいよ、最終チェックの時期ですね。どう求めていけばよいか、筋道を立てられるようにしておきましょう。サクッと筋道が頭に浮かぶようであれば、四角錐関連への対策は問題ないでしょう。 【問題】各辺の長さが4の正四角錐O-ABCDがある。 辺OD,OC上にOP=OQ…

空間における“反射”問題(青山学院・改題)

入試を目前に控え、「平面における“反射”問題」の考え方は理解していることと思います。では、「空間における“反射”問題」はどうなるか、再確認しておきましょう。 【問題】AB=6,AD=8である直方体ABCD-EFGHの、辺ABの中点をM、辺ADの中点をNとする。 4点M,N,…

立体に内接する最大の球

「内接球」と聞くと後込みする人もいるかもしれませんが、順を追って考えていけば決して難しくありません。 【問題】 全く同じ底面を持つ円錐VとWが、底面どうしがピッタリ重なり合ってできた立体を考える。 上側の円錐Vの側面の展開図は 「半径20中心角216°…

展開図から立体をイメージしよう!-2/解説

問題の与条件として、 立体の「上面図・側面図」(※) などが与えられていれば、 「正八角柱から全く同じ三角錐を8個取り除く方法」 で体積を求めるのが簡単でしょう。(※テキストなどでは「平面図・立面図」と表記されていることが多いですが、建築用語との関…

展開図から立体をイメージしよう!-2

側面を形成する各面と上・下面の形状から、対称性をもった立体であることがわかりますね。また、問題文にも記してある通り、 「上面と下面は平行」 になります。 では、体積はどのように求めればいいでしょうか。様々なアプローチが考えられますが、できるだ…

断頭三角柱or体積比(2019西大和学園・改題)

“断頭三角柱”一本で押していってもいいでしょうが、別の解法があることも理解しておきましょう。また、「五面体の切断」がありますが、このくらいはできるはずですね。 【問題】 五面体ABC-DEFの面BEFCは長方形、面DEFは1辺2√2の正三角形である。 また、四角…

円錐の軌跡(2019都立立川)

「円錐を平面上で転がす」出題パターンも、入試問題ではよく見受けられます。 【問題】 底面の半径1、母線の長さ√2の円錐を、 頂点Oを中心として、側面が平面上をすべらないように出発地点Aから転がし、 頂点Oのまわりをちょうど1周させる。 このとき、円錐…

空間における線分の長さ

受験も間近に迫ってきましたが、「見当違いによるミス」は絶対になくしていきましょう。もしそれで、願いがかなわない事態につながれば、悔やんでも悔やみきれませんね。 【問題】 AB=BC=3,AE=6の直方体がある。 辺DHの中点をM、線分ME,EGの中点をI,Jとする…

回転移動による軌跡(2019城北)

「点や線分を軸を中心に回転させる」とどうなるか、イメージできるようにしておきましょう。 【問題】 1辺3の立方体ABCD-EFGHがある。 線分EG上の点Xから、線分FGへ下ろした垂線の足をYとすると、FY=√3となる。 このとき、点Xを辺ABを軸として、立方体の内部…

立体の辺上の2動点(2019高知県立)

“動点”問題では、 「動点が3個以上」や、 「方向を変えたり止まったりの不規則な移動」、 「無限の移動における規則性」 などの様々な出題パターンが考えられ、入試においても頻出分野の一つです。今回は「立体の辺上の2動点」を用いた標準問題でみていきま…

グラフと回転体(2019鳥取県立)

「関数のグラフなどで囲まれた平面図形」の回転体についての問題です。 入試ではよく出題される分野です。【問題】 直線y=x-1とx軸との交点をA、 直線y=(1/3)x+3とy軸との交点をB、 この2直線の交点をPとする。 また、 3点A,B,Pを通る円とx軸との交点のうちA…

円錐の切断面(2019宮崎県立)

円錐の“ある性質”が絡んでいる問題なのですが、それを知らなくとも解けてしまう問題です。むしろ、“ある勘違い”をしたまま正答を導き出した受験生が多かったのではないでしょうか。 【問題】 「AB=4の長方形ABCDの紙」がある。 (辺ADの中点をM。) この紙を…

平面図形の折り曲げ(2019愛知県立)

平面図形を“紙のようなもの”と想定した上で、それを折り曲げてできる立体についての問題です。出題頻度はそれほど高くはありませんが、慣れておくべきでしょう。 【問題】 △ABCは1辺6の正三角形。 BD=2となる点Dを辺BCにとる。 線分ADを折り目として平面ABD…

正四面体の内・外接球

「正六・八面体の内・外接球」の把握は簡単ですね。 前回の投稿でも記しましたが、 「“球の直径(or半径)”が何の長さになるのか」 がカギでしたね。 では、「正四面体の内・外接球」はどうでしょうか。 正六・八面体のようには、内・外接球のイメージが浮かび…

内・外接球問題(2018慶應女子)

2018年入試では、「正六角柱」を題材とする学校が多く見受けられました。 (それに絡めて、“断頭三角柱”の出題も多くなりました。)そして当然の成り行きとして、2019年は、その傾向は見られなくなりました。 例えば、2018年の慶應女子では、 「正六角柱の内…

展開図から立体をイメージする(2019慶應義塾)

受験の時期も近づいてきたので、 「限られた時間内に頭の中だけでイメージできるか」 が重要になってきます。試験中と同様に、「見取り図」を描きながら考えてみましょう。 【問題】 この展開図は、 「1辺2の正三角形と正方形のみ」 で構成されている。 これ…

正十二面体問題(2018筑波大附属駒場)

公立校の入試問題においては、問題で示される図がほぼ正しく描かれています。 ですから、その図を参考にして解く手がかりを見つけていくことも可能です。しかし私立校では、“問題の与条件とは異なるような見えがかりの図”を示すことで、特に幾何が苦手な受験…

回転体の体積の求め方

グラフ上の平面図形を回転させてできる立体の問題も定番なので、今のうちから慣れておきましょう。 非常に便利な定理もありますが、まずは基本をしっかり押さえておくことが肝心です。 【問題】 原点Oを通る放物線上の3点A(-1,1),B(2,4),C(1,1)。 (1)△OAB…

複合的な比(2018 都立国立)

今年は出題されませんでしたが、国立高校の入試問題では「複合的な比をうまく処理する力」が必須です。例えば、2018年の【4】問3は、その能力を問われる問題です。しかし典型的な問題なので、この類の問題を繰り返し解いてきた通塾生には何のことはないでし…

断頭三角柱問題(2018東海)

四角錘と捉えるよりも“断頭三角柱”として捉えた方が体積を求めやすい例です。 【問題】 AB=AC=3、BC=√3。 三角柱ABC-DEFの辺CF上に点G、辺AD上に点H。 △BGHは正三角形。 (1)△ABCの面積は? (2)三角柱を3点B,G,Hを通る平面で切断したとき、頂点Aを含む立…

正八面体問題/解説

正八面体は、その構成をしっかり把握してさえいれば、非常に取り組みやすい立体です。当初から伝え続けている通り、いかに「正多面体に慣れ親しんできたか」が効いてきます。 例えば、下記のような問題をスラスラ解けるか、チェックしてみましょう。 【問題…

四角錘の切断(2019青山学院)

柱体の切断ができるようになったら、次は錐体です。但し、余り込み入った錐体の切断は、最難関レベル以外では出題されないと思います。例えば四角錘では、次のパターンの切断はよく出題されるので、しっかり理解しておきましょう。 【問題】 底面が1辺2√2の…

“頻出”四面体問題(2019都立日比谷)

(2020/2/14更新) 頻出している「四面体問題」なので、都立入試に備えて、改めて確認しておきましょう。都立日比谷で今年も出題されるとしたら、難易度は上がったものになるでしょう。 しかし、基本は押さえておいてもらいたいので、再投稿しておきます。~…