数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

場合の数・確率

短時間で解くにはミスしやすい確率問題(2021神奈川県立/追試)

神奈川県立入試では定番の、 “ルール設定に基づく確率問題” です。「解けた!」と思って見直さないでおくと痛い目にあう可能性が高く、短時間で「正しい確率」を導き出すのに苦労するのではないでしょうか。問題文を読みながら、ちょっとでも「ん?」と感じ…

ちょっとオモシロイ“互いに素”問題(2020大阪星光学院)

2つの自然数の公約数を考えたとき、それが全く存在しないことはありませんね。どんな自然数にも、“1”という約数が存在するからですね。そして、 「2つの自然数の正の公約数が“1”しか存在しない」、 つまり、 「2つの自然数の最大公約数が“1”」 であるとき、 …

サイコロとグラフ上の格子点(2020立命館・改題)

一見、何でもない、 「サイコロとグラフ上の格子点」 を絡めた確率問題です。しかし、こういう問題こそ、注意深く取り組む習慣をつけておくべきでしょう。原題は、文章でズラズラと説明してあるので、問題文を読んでいる時点で、若干のイラつきも否めません……

立方体の辺上の経路(2020城北)

「お兄ちゃん、何回数えても、そのたびに回数が違ってくるんだけど…」 「ちゃんと系統を分けて、一つずつ順番に数えていってごらん。」 小学生でも、じっくり時間をかけて考えるならば、ほぼ全員が正しく答えられるでしょう。しかし、ちょっとそそっかしい妹…

サクッとできるかな!?「サイコロ確率問題」(2020立教新座)

前回は、 「サイコロ4個を同時に1回投げる」 設定でしたが、今回は、 「1個のサイコロを4回投げる」 設定の問題です。どちらも、基本的な考え方は同じですが、設問によってはどちらの設定にするかが変わってきます。そこで、定番設問をいくつかやってみまし…

“約数が4個”となる自然数(2020ラ・サール)

「約数」関連分野において、基本事項となる “正の約数が2個,3個となる数” をしっかり理解したら、次のステップに進みましょう。以前にも取り上げた、 “正の約数が4個となる数” に関して、「サイコロの目の積」と絡めた問題です。確率問題では、 “惜しいミス”…

立方体の4頂点を結んでできる四面体(2020西大和学園)

立方体は、誰もが一番慣れ親しんだ正多面体でしょう。ですから、わざわざ図を描かなくても、頭の中だけでも様々なイメージができると思います。だからこそ、油断も生まれがちではありますが、そんな立体を用いた確率問題です。毎度のことではありますが、じ…

積が偶数となる確率(2020東大寺学園)

パッと見て、 「あの定番問題ね」 と、小学生でも取り組むのに何の抵抗も感じない問題だと思います。その感覚でサッと解いてしまいましょう。 【問題】 1から5までの数字が書かれたカードがそれぞれ2枚ずつ合計10枚ある。 これらのカードを袋に入れて、その…

ちょっとオモシロイ「倍数の個数」問題(2020桐蔭)

何はともあれ、まずは解いてみましょう。 当然、かける時間はできるだけ少なくするようにしましょう。 【問題】 1~9の数字が書かれたカードが1枚ずつある。 この9枚のカードから3枚を選んで左から並べて3桁の整数をつくる。 (1)4の倍数はいくつできるか。…

「豊島岡女子」の入試問題は模試にオススメ!

豊島岡女子の入試問題は、昨年(2019年)より、上位向けの非常に良質な内容になっています。難関校をめざす人は、一通り学んだ後に同校の昨年・今年の入試問題を、模試がわりにやっておくことをお勧めします。なお、同校は2022年度から高校募集を停止する予定…

ちょっとオモシロイ「サイコロの目の約数」問題

「ウケる~!今年の都立と愛知県立で“コラッツ問題”が出てる~」塾の先生の影響ですっかり“数学好き”になってしまった姉が、JKらしからぬ本を見てはしゃいでいる。 何か嫌な予感がする…。「ねぇねぇ、この問題さぁ…」 やっぱりだ…。 「愛知県立の“コラッツ”…

2個のサイコロの目の積の約数(2020筑附)

2個のサイコロを投げて出た目の積についての問題です。2つの目の積は、 「最小値1~最大値36」 で、しかも、 「36通りある訳ではない」 ので、“やる気が失せる”ほどの全体数ではありませんね。しかし、入試のように時間制限があると、結構焦りが出てきてしま…

ちょっとオモシロイ最短経路問題(立命館)

「格子状ルートにおける最短経路問題」は、どこかで一度はやったことがあるのではないでしょうか。入試においては、 「通れないor通るべき箇所がある」、 「直交しないルートが含まれている」、 といったように、色々と設定をひねって出題されることが多くな…

難関校の“オードヴル”はガッツリ系!?(2014開成)

入試においては、「小問集合」を確実に得点につなげることが、合格のための第一歩であることは何度も伝えてきました。しかし難関校では、そう簡単にはいかないことが多いでしょう。「小問集合」をサッサと片付けて早く他の大問へと進みたい心理を弄ぶかのよ…

「平方根」関連の頻出問題

「根号を含む数の四則演算」ができるようになったら、次のステップとして、「平方根の原理」に基づく応用問題に取り組んでみましょう。入試においてよく出題される代表的な問題を、過去問からいくつか集めました。 【問題】 √(2019+n)が自然数となるような最…

「6個のサイコロ」未解決問題…

「確率・場合の数」関連の問題で、 “余事象で考える” と、時に鮮やかに解ける場合がありますね。それは、 「余事象の場合の数が圧倒的に少ない」 場合が多いですね。しかし、必ずしもそのような場合だけではないことを、次の2問を通してみていきましょう。 …

論理を使いこなそう!(“鳩の巣原理”編)

数学を学び進めていくと、 「論理的な思考展開力」 の大切さをより痛感することになります。その力をつける扉を開けてくれるのは、 「じっくりとことん考える」 姿勢です。 効率性を重視せざるを得ない授業環境では中々難しいのですが、本来ならば皆で 「あ…

“サイコロゲーム”の理論上のからくり

「次のようなゲーム(勝負)を挑まれたら、あなたなら受けますか?」という問いかけをしました。 【ゲーム】 3つのサイコロを同時に1回投げて、6の目が1つでも出たらあなたの勝ち。 基本スタンスとしては、まず 「理論上の勝てる確率」 をはじき出してから、勝…

“勝負”の前に再チェック!

前回の投稿の冒頭部分は、 “混乱させるための前フリ” ですから注意してくださいね。 クセモノは、 「6本中1本があたりの割合」 という表現です。まず、 「くじ全体の本数が有限か否か」 が不明です。また、有限であるならば、 「最初の段階のみ」 その割合な…

この勝負、あなたなら受けますか?

「6本中1本があたり」 の割合の“くじ”を3本引かせてくれるとしましょう。「6本引いたら1本はあたりが出る」 はず(理論上)なので、 「3本引かせてくれる」 ならば、まずやってみたくなりますね。しかし実際は、 「1本もあたりが出ない」 ことも十分あり得ます…

勝ちやすくするための選択とは?

「必勝法があるゲーム」 は、やること自体は前フリでしかなく、 “必勝の原理を学ぶ” ことに意義があります。つまり、必勝法はないものの、 「こうすれば勝ちやすくなるのではないか…」 と考えさせるような“余地”があってこそ、楽しめるゲームと言えるでしょ…

読み換えて簡単に解こう!(続編)

「受験算数」を学んでいる小学生ならば、簡単に解いてしまうかもしれませんね。 但し、 「なぜそのように解くことができるのか」 をしっかり理解しておきましょう。 【問題】 イチゴ味、レモン味、ブドウ味の3種類のキャンディがそれぞれ8個ずつある。 この…

読み換えて簡単に解こう!(慶應義塾志木)

以前にも扱った「読み換え力」が問われている問題です。もちろん、地道に数えあげていってもいいのですが、簡単に解くことができればそれに越したことはありませんね。どう読み換えて取り組んでいけばよいか、再確認しておきましょう。 【問題】 1つのサイコ…

中学生も2020センター試験に挑戦!(確率編)

2020センター試験(数学Ⅰ・A)の確率の選択問題は、最後の設問以外は中学生でも解けると思います。原題は誘導設問があるので、それに気付けばミスを防げるようになっています。 今回は誘導設問なしで、自らの注意力を確認してみましょう。 【問題】 1枚のコ…

サクッとできればOK!~確率編(2019明治大学付属明治)

受験の際は、このような小問を絶対に落としてはいけませんね。何度も伝えている通り、「確率問題」では“惜しい間違い”は全く意味がありません。 惜しくても、間違いならば0点です。 【問題】 大小2つのサイコロを同時に1回投げ、 大サイコロの出た目の数をa…

多角形の頂点上の移動(2019愛知県立)

「多角形の頂点上を移動する」問題では、“合同式”の考え方を用いると取り組みやすくなります。しかし下記の問題は、一般県立の入試問題なので、当然それを用いなくとも解くことはできます。 【問題】 五角形ABCDEの頂点Aにコマが置いてある。 大小2個のサイ…

「読み換え力」を鍛えよう!

「整数」や「確率」の問題は、時間が許すならば、“ゴリゴリしらみつぶし作戦”でも対処は可能です。しかし、まずは、前回の問題のように「論理的に攻める」方策を探るのが第一手です。で、めでたく論理的に攻める目処が立ったものの、「何か面倒だなぁ・・」…

平方根と確率(2018都立国立)

確率の問題も、解き進める方針をしっかり定めてから臨まないと、“漏れなく重複なく”数えあげることが難しくなってしまいます。 【問題】 1~8の整数が1つずつ書かれた8枚のカードが入っている袋がある。この袋から1枚のカードを取り出して戻す作業を2回繰り…

周期性(2018都立戸山)

前回のフラーレン(C60)を受けて“60”にちなんだ問題です。都立戸山では、「周期性」を題材とした大問がよく出題されます。2018年は小問集合で出題されましたが、「所詮小問集合でしょ・・」と侮ると、ミスを犯しやすい問題です。 【問題】 円周上の60個の…

整数or自然数(2018中大杉並)

「平方根」や「確率」の問題で、 条件が「整数or自然数」は大きな問題です。 [問題] 大小2個のサイコロ(目の数をa,b)を同時に投げたとき、10/(2a-b)が整数となる確率は? [解答] “整数”との条件から、まず注意すべきは 「0となる場合」でしたね。本問では「…