数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

整数

小学生の方が速く解ける?大学入試問題(n進数編)

この前は「2進数」の問題だったので、今回は「8進数」でいきましょう。ザックリ言ってしまえば、 「0~7の最大8種類の数字からつくられた数」 のことでしたね。例えば、 「8進数の“123”=123(8)」 を10進数で表すと、 「8×8×1+8×2+3=83」 となりますね。 下記…

「倍数判定法」の応用

今年受験した人は、 「2021=43×47」 は知っていることでしょう。つまり、 「2021は43または47の倍数」 ということですね。 【問題】 例えば“2021”のように、 「千の位と十の位の数が2である4桁の整数をN」 とする。 (1)45の倍数となるNを全て求めよ。 (2)44…

約分した分数の分子(2021フェリス女学院中・改題)

整数問題は「いかに絞り込むか」に尽きますね。入試等では時間の制約があるのは当然なので、普段から素早く正確に答えを求められるよう心がけておくことが大切です。 【問題】 「nを4以上179以下の整数」 とするとき、 「n/180を約分すると分子が3」 となる…

「Aで割るとB余りCで割るとD余る」整数(2021豊島岡女子中)

【問題】 7で割ると2余り、9で割ると3余る整数のうち、2021に最も近いものを求めよ。 中学生以上にこの問題を出したら、「不定方程式」を立てて考えることでしょう。小学生でも、この類の整数問題に取り組むための原理がわかっていれば、不定方程式の一般的…

「約数の個数」に関する基礎知識(2021桜蔭中・改題)

中学入試における整数問題なので、力業で押し切る方法も最後の手段としてはアリでしょうが、まずはある程度絞り込むことを考えましょう。そのために知っておくべきことは、小学生と言えどもいくつかありますね。 参照→「約数が2~4個の整数とは?」 https://…

サクッと求めちゃえ!(2021都立新宿)

実際の高校入試問題なので、 「方程式を立てて解く」 のが基本ですが、小学生にとっては簡単に解ける“虫食い算”となりますね。与条件から 「論理を積み上げて解く」 練習問題として、サクッと片付けちゃいましょう。 【問題】 Aは4桁の自然数である。 「Aの…

ちょっとオモシロイ「連続する3つの自然数」問題(2021栄光学園中)

「2021=43×47」であることに着想を得た、ちょっとオモシロイ整数問題が今年の中学入試において出題されました。それは、 「2つの異なる素数の積」 で表される(素因数分解される)自然数に着目した問題です。但し、 「“2種類”の素数の積」 として素因数分解…

“長方形グリッド”の格子点問題(2021都立立川)

“「三平方」除外”に対応して、都立立川では「グリッドを利用した整数問題」を用意してきました。「確率を絡めたルール設定問題」や、このような「整数関連の問題」に入れ替えることで、今回の特殊な出題範囲に対応してくる学校が多いだろうと予想していまし…

釈然としない模範答案…(2021都立西)

今年の特殊な出題範囲設定により、かなり易化してしまった「都立日比谷」に比べ、毎年難解な大問を一つ用意する「都立西」の場合は、ほぼ例年通りのレベルだったと言えるでしょう。ただ、その中の論証問題の【学校提示の模範答案】には、釈然としないものを…

“2021&3”問題(2021聖光学院中)

これも先日の中学入試問題から、 「“西暦年数2021”と“元号年数3”」 を用いた整数問題です。以前、当ブログでも、 「“2021”西暦年数問題」 https://mcafejr.hatenablog.com/entry/2020/12/27/203615 にて、無理数を絡めて予想してみたアレです。 今回の問題も…

「2021灘中」の整数問題

つい先日実施された中学入試問題から、高校入試対策にも活用できるような問題について見てみましょう。 【問題-1】 “2021”は、各位の数の和(2+0+2+1)が5となる整数であるが、このような「各位の数の和が5」となる4桁の整数は全部で何個あるか? また、その…

中学生も「2021大学入学共通テスト」に挑戦!(不定方程式編)

先日、初めての「大学入学共通テスト」が実施されましたね。「センター試験」の際にも紹介しましたが、「数学Ⅰ・A」であれば、公立中学生でも解ける問題が結構あります。年頭から「西暦年数問題」を扱ってきたので、その延長として共通テストの“整数問題”に…

“2021”で割った余り

「西暦年数“2021”」と「余り」を絡めた問題です。受験目前のこの時期であれば、同じような問題を解いたことがあるはずです。定番問題でもあるので、サクッと解けるかどうか確認しておきましょう。 【問題】 「4で割ると1余り、5で割ると2余り、101で割ると98…

202122

今年の西暦年数「2021」は、「20と21」という連続する2桁の整数から形成された4桁の整数とみることができますね。そこに着想を得て、 「連続する3つの整数から形成された整数」 として、 「202122」 を用いた問題をちょっと考えてみました。 【問題-1】 18×1…

2020の2021乗と2021の2020乗

「ねぇ姉貴、どうやって大小判定すればいいのかなぁ…」 「何?2020の2021乗と2021の2020乗の大小かぁ…」 姉が通う学校と同系列の高校を受験する予定の弟が、ネットでたまたま見つけた問題で、考えあぐねた末に姉に助けを求めている。 「あの学校、整数問題が…

“2021”問題/小学生用解説

小学生用に、基本的な“2021”西暦年数問題の解説をしてみましょう。 例えば、 【2021=43x+47y】 という不定方程式の整数解は、 【2021=43×△+47×□】 を満たす整数である△と□を見つけることと同じですね。よって、小学生でも簡単に 「△=47,□=0」 や、 「△=0,□=4…

“2021”西暦年数問題

年の瀬ですので、入試対策として、 「“来年の西暦年数”問題」 について、ちょっと予想してみましょう。 まず、受験生であるならば、 「2021=43×47」 と素因数分解できることは既にチェック済みだと思います。 そこで、例えば、 【2021=43x+47y】 という不定…

2元2次の不定方程式(2020筑附・改題)

「問題文を元に方程式を立てる」 という定番の流れで解いていけばいいのですが、立てた不定方程式が“定番の形”とはならないタイプの整数問題です。とは言っても、 「整数問題への基本的な取り組み方」 がわかっていれば、特段難しい訳ではありませんね。 【…

“2021”を用いた整数問題(初級編)

来年の西暦年数に絡めた整数問題をやってみましょう。入試における「小問集合」などで出題されるタイプの、基本的な練習問題です。 【問題】 整数N=2021-√(237m)の絶対値が最小となるときのNの値を求めよ。 但し、mは自然数とする。 【解説】 受験生は既にチ…

小学生も“未解決問題”にチャレンジしよう!(2020都立西・改題)

実際に都立西で出題された“未解決問題”に、小学生もチャレンジしてみましょう。“未解決”と言っても、あることが 「全ての整数において成り立つかは未解決」 という意味なので、小学生でも身構えることなく十分取り組める内容です。 【問題】 「ある自然数aが…

整数の「3数の積」への分解

どんな整数でも、 「3つの整数の積」 で表すことは可能ですね。例えば、 「1=1×1×1」 や、 「-20=-2×2×5」 のように、必ず何らかの表し方があるはずですね。そこで、西暦年数に絡めて、次のような問題をやってみましょう。 毎度のことですが、「場合の数」を…

約分すると自然数となる分数(2020大阪教育大学附属・池田)

例えば、 「2020/20」 という分数は、約分すると 「101」 という自然数になりますが、分母が3に入れ替わった 「2020/3」 は約分できないので自然数とはなりませんね。そこで、 「分母が入れ替わっても約分すると自然数となる分数」 に関する問題です。 【問…

「位の数」を入れ替えた2桁の自然数

例えば、 「12と21」 は、 「位の数を入れ替えた2桁の自然数」 ですね。これらの数の和は33で、 「11の倍数」 となりますが、これは、 「どんな2桁の自然数の場合にも成り立つ」 ことですが、その理由は簡単に導けると思います。今回は、そんな2桁の自然数を…

パズルを解いたら得るものあるかな?

コーヒーブレイクにでも、誰でも、何の準備も必要なく、気軽に取り組める「数入れパズル」です。 (※小学生は、「負の数」がネックとなってしまうので、現在扱っている「数の世界」だけで考えてみましょう。) 【問題】 ○の中に、下記のルールで整数を書き入…

サクッとできればOK!(最大公約数編)

入試の小問集合のうちの1問ですから、じっくり考えて解く問題ではありません。制限時間は、どんなにかかっても「2分」でしょう。もし、それ以内に解ききれない場合は、 「最大公約数・最小公倍数」 について、改めて復習しましょう。 【問題】 2020以下の自…

小学生にも解ける「“分配”文章題」

「文章題を解く」 にあたっては、中学生以上はまず、 「方程式を立てる」 ことが全ての基本となりますね。一方小学生は、基本的には、様々な“算数テクニック”を用いて解くしかありません。 今回の問題は「未知数が多い」設定なので、小学生にはちょっとハー…

ちょっとオモシロイ“互いに素”問題(2020大阪星光学院)

2つの自然数の公約数を考えたとき、それが全く存在しないことはありませんね。どんな自然数にも、“1”という約数が存在するからですね。そして、 「2つの自然数の正の公約数が“1”しか存在しない」、 つまり、 「2つの自然数の最大公約数が“1”」 であるとき、 …

ちょっと変わった「3桁の自然数問題」(2020近大附属・改題)

「3桁の自然数」を題材にした問題は多いですが、ちょっと条件設定が変わったタイプもやっておきましょう。設問数も多いので、毎度のことてすが“素早く正確に”頑張ってみましょう! 【問題】 「百の位の数がa、十の位の数がb、一の位の数がc」 となる3桁の自…

“約数が4個”となる自然数(2020ラ・サール)

「約数」関連分野において、基本事項となる “正の約数が2個,3個となる数” をしっかり理解したら、次のステップに進みましょう。以前にも取り上げた、 “正の約数が4個となる数” に関して、「サイコロの目の積」と絡めた問題です。確率問題では、 “惜しいミス”…

未知数が分母にくる不等式(2020東大寺学園)

不等式関連の内容が続いたので、ついでに解き方のテクニックの一つについて確認しておきましょう。 例えば、 「連立させた1次不等式」 は、数直線などを用いれば中学生でも扱えるはずですね。しかし、 “未知数が分母にくるような不等式” だと、どう扱ってい…