数学カフェjr.

「知っておいてほしい」又は「ちょっとオモシロイ」初等数学を、高校受験をする又は中高一貫校在学の中学生を中心に、小学生~大人の方に向けてお伝えしていきます。

都立(+神奈川県立)入試問題

2020都立西/数学 概観

来年の都立入試では、 「三平方を駆使して解く問題」 の代わりに、例えば【4】のような 「整数や規則性を題材とした問題」 が増える可能性は高いでしょう。 【1】(小問集合)確実に全問正解にすべき内容です。 「作図」については、既に下記にて解説済みで…

2020都立日比谷/数学 概観

塾などでの履修状況によっては、そろそろ過去問に手を出せる受験生もいることでしょう。そこで、今年も、 「どの問題を確実に得点につなげていくべきか」 などの“概観”を、都立トップ校について綴っておきます。但し、来年の都立入試の出題範囲からは「三平…

立方体の辺上の4動点

「空間における3点」であれば、その全てを通る平面は必ず存在しますね。 しかし、「4点」となると簡単にはいきません。入試において、 「空間における4動点が同一平面上」 にある場合を考えるには、“時間との闘い”に伴う焦りもあり、厳しいものがあるでしょ…

立体どうしが重なり合う部分(2020都立国立)

「立体の見取り図を与条件通りに描く」 ことができると、複雑な立体問題にも対処しやすくなります。とはいえ、立体どうしが重なり合う場合、 「“交点・交線”が立体のどの位置にあるのか」 が頭の中で正しく把握できていれば、問題ないでしょう。 下記の問題…

五面体の捉え方(2020都立新宿)

多面体の体積は、 「その立体をどう捉えるか」 によって簡単に求められたり、逆に面倒になったりします。世の中の出来事を、 「多様な面から捉える力」 を養うためにも、このような初等幾何への取り組みも一つの訓練になるでしょう。下記は、今年のある高校…

ひし形の作図-2(2020都立西)

様々な手法を用いて、ひし形を作図してみましょう。前回の問題と比べると、「論理の組み立て」がより必要になってきます。できるだけ少ない手数で作図できる方法を考えましょう。 【問題】 線分BDがある。 ∠ABC=60°となるようなひし形ABCDを作図せよ。 【解…

ひし形の作図-1(2020都立日比谷)

「ひし形の作図」は、平行線を引く際に便利な方法ですね。まずは、 「ひし形の定義・性質・成立条件」 をしっかり振り返っておきましょう。 【問題】 AD〃BCの台形ABCDがある。 点Pを直線BC上に、点Qを直線AD上にとる。 四角形APCQがひし形となるような点P,Q…

等積図形の作図(2020都立八王子東)

数学における「作図」とは ・定規(直線を描く) ・コンパス(円弧を描く、同じ長さをとる) のみを用いて図を描くことです。例えば、正多角形は“分度器”を用いても描けますが、「数学の作図問題」では御法度となります。 中学生の皆さんは、 「線分の垂直二…

“カメ”である方が得策となる問題(2020都立)

先日2/21の都立入試(一般)の立体問題は、 「“ウサギ”が慢心している訳ではないのに、“カメ”の方が楽に勝ててしまう」 ような、なかなかの良問でした。塾などで発展的解法を習っている受験生ほどミスを犯しやすく、愚直ともいえる方法で解いた受験生ほど正答…

四面体の体積比(2020都立日比谷)

昨日の都立日比谷の立体問題は、やはり頻出していた「四面体」が題材でした。 難易度も、予想通り若干上がったものでした。 【問題】 OA⊥OB,OB⊥OC,OC⊥OA,OA=OB=6,OC=8の四面体OABCがある。 点H,Iはそれぞれ辺OA,OB上の、点J,Kはそれぞれ面OAB,ABC上の点であ…

ちょっとオモシロイ作図問題-2(2019都立国分寺)

明日の都立入試での皆さんの健闘を祈ります。(【解説】更新) 都立国分寺の作図問題(2018)は、以前にも取り上げました。 (※[作図]カテゴリー→「ちょっとオモシロイ作図問題(2018都立国分寺)」)作図問題は都立入試では必ず出題されるので、今回の問題も一…

展開図→立体組み立て→“ひもかけ”問題(2020神奈川県立)

つい先日の神奈川県立入試問題からの出題です。全く何の関係もない学校どうしであるのに、なぜか同じ年の入試問題の傾向がシンクロしてしまうことがあります。都立受験に向けて頑張っている皆さんも、解いておくと役立つことがあるかもしれません。 【問題】…

カテゴリー[都立入試問題]新設しました

都立高校入試対策として重要であろうと思われたので、昨日「“頻出”四面体問題(2019都立日比谷)」を再投稿しました。しかし、再投稿では中々皆さんに伝わらないので、都立高校入試関連の新たなカテゴリーを設けることにしました。[都立入試問題]というカテ…

円錐の軌跡(2019都立立川)

「円錐を平面上で転がす」出題パターンも、入試問題ではよく見受けられます。 【問題】 底面の半径1、母線の長さ√2の円錐を、 頂点Oを中心として、側面が平面上をすべらないように出発地点Aから転がし、 頂点Oのまわりをちょうど1周させる。 このとき、円錐…

ちょっとオモシロイ作図問題(2018都立国分寺)

今までとは傾向が少し異なる、一度はやっておくべき面白い作図問題だと思います。 【問題】 円周上に4点A,B,M,Nがあり、AB(直径)とMNの交点をPとする。 △AMP:△BNP=4:1となるとき、4点A,B,M,Nを作図せよ。 (円と内部の点Pだけが与えられている。) 【解答】 相…

正三角形の面積二等分線(2018都立青山)

都立高校入試では、作図問題が必ず出題されています。苦手とする人も結構いるようですが、幾何の原理をしっかり理解できていれば何のことはないはずです。中でも、”面積二等分線”は作図の定番なので、しっかり理解しておきましょう。 【問題】 △ABCは正三角…

折り返し問題-1(2018 都立西)

定番の折り返し問題ですが、解き進め方を再度確認しておきます。 AH=FH=xとおいて△BFHで三平方より AH=FH=x=15/4これより△BFHは3:4:5の直角三角形とわかり △BFH∽△CJF∽△IJG∽△KIGとなります。あとは3辺比を順番に用いて IG=OG=3/4 KI=3/5 KG=9/20∴I(-3/5,6/5) …

複合的な比(2018 都立国立)

今年は出題されませんでしたが、国立高校の入試問題では「複合的な比をうまく処理する力」が必須です。例えば、2018年の【4】問3は、その能力を問われる問題です。しかし典型的な問題なので、この類の問題を繰り返し解いてきた通塾生には何のことはないでし…

面積比(2019都立)

今年の都立(一般)では、神奈川県立で出題されたような「比の移動」の手法は必要ありませんでした。平行四辺形をもとにして面積比の知識を活用させる定番問題です。 【問題】 平行四辺形ABCDにおいて BP〃QD,CP:PD=2:1のとき 四角形QBSR(ア)は△AQR(イ)…

“頻出”四面体問題(2019都立日比谷)

(2020/2/14更新) 頻出している「四面体問題」なので、都立入試に備えて、改めて確認しておきましょう。都立日比谷で今年も出題されるとしたら、難易度は上がったものになるでしょう。 しかし、基本は押さえておいてもらいたいので、再投稿しておきます。~…

平方根と確率(2018都立国立)

確率の問題も、解き進める方針をしっかり定めてから臨まないと、“漏れなく重複なく”数えあげることが難しくなってしまいます。 【問題】 1~8の整数が1つずつ書かれた8枚のカードが入っている袋がある。この袋から1枚のカードを取り出して戻す作業を2回繰り…

周期性(2018都立戸山)

前回のフラーレン(C60)を受けて“60”にちなんだ問題です。都立戸山では、「周期性」を題材とした大問がよく出題されます。2018年は小問集合で出題されましたが、「所詮小問集合でしょ・・」と侮ると、ミスを犯しやすい問題です。 【問題】 円周上の60個の…

「√□が“自然数”となる」

これも、与条件をしっかり把握することが大切です。 【問題】 √(582-6n)が自然数となるような素数nの値を全て求めよ。 (2018都立西) 【解答】 「根号のついた数が“自然数”となる」との与条件なので、「“0となるとき”を考えなくてよい」というところが、前…

「√□が“整数”となる」

いわゆる“西暦年数問題”ですが、与条件をしっかり把握することが大切です。 【問題】 √(2018-2n)が整数となる自然数nの個数は? (2018都立立川) 【解答】 「根号のついた数が“整数”になる」との与条件のときは、「“0となるとき”を忘れるな!」が大鉄則でし…

比の移動(2019神奈川県立)

定番の問題でありながら苦手な生徒が多い「比の移動」について説明しておきます。「相似」の基本さえ理解していれば、小学生でも解けると思います。 【問題】 AD=DB,AE=EF=FCの△ABCにおいて、△BGDの面積をS、四角形EGHFの面積をTとするとき、S:T=? 【解答】…

2019 都立八王子東/数学 概観

全体的に取り組みやすかったと思います。【1】(小問集合) 確実に全問正解としたい問題です。 作図問題は、ある定理を用いると簡単にできます。 しかし、「線分をa:bに内分する点」は必ず作図できることを確認しておきましょう。【2】(放物線と幾何) 定番…

2019 都立立川/数学 概観

このところ易化が続いていましたが、久しぶりに“立川の良問”が戻ってきました。 【1】(小問集合) 確率問題に注意しつつ、作図問題もしっかり解ききりたいところです。【2】(放物線と幾何) 等積変形、回転体、線分比なので全て解ききりたい内容です。【3…

2019 都立新宿/数学 概観

最近の都立新宿の難易度通りの問題だったと思います。 【1】(小問集合) 確実に全問正解としたい問題です。【2】(放物線と幾何) 解ききれる内容ですが、(問2-1)で指示された方法で解くのは面倒だったと思います。【3】(円) 証明の穴埋めまではしっか…

“2019”問題/2019都立青山/解答

【問題】 2019がaで割り切れ。そのときの商にbを加えた値が、 (a+b)の倍数となるようなa,bの値の組(a,b)は 全部で何通りあるか。 ただし、「a,bは、それぞれ1ではない1桁の自然数」とする。 “西暦年数問題”は昨年も出題されたので、準備している人も多かった…

2019 都立青山/数学 概観

都立青山の受験生に適した良問が揃っていたと思います。 【1】(小問集合) (3)で今年も“西暦年数問題”が出題されました。【2】(放物線と幾何) 条件設定が工夫されているものの、定番の設問であり、確実に全問正解したいところです。【3】(円) 設問方…